退職代行サービスを利用しても有給消化できる?交渉するなら運営元に注意してサービスを選ぼう!

更新日:

公開日:2024.10.31

PR

退職代行を利用して会社を辞める際、「残っている有給休暇はちゃんと消化できるのだろうか?」と不安に思う方や、有給の利用を諦めかけている方もいるかもしれません。

ですが、会社は条件を満たした労働者に対して有給休暇を付与する義務があり、退職代行を利用する場合でもその権利は変わりません。ただし、退職代行サービスによっては、会社との交渉がスムーズに進まないこともあるため、サービスの選定には注意が必要です。

この記事を参考に、有給休暇をしっかり取得してからの退職を目指しましょう。

退職代行サービスを利用しても有休消化はできる

有給休暇の消化は、労働基準法第39条でも定められているとおり、一定期間、業務に従事した労働者に与えられる法的な権利です。この権利は、退職代行サービスを利用する場合でも変わりません。

労働基準法 第三十九条

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

出典:労働基準法|e-GOV法令検索

厚生労働省の資料では、上記の「継続勤務」について、また「出勤率算定」にあたっての留意点が記載されています。

「継続勤務とは」事業場における在籍期間を意味し、勤務の実態に即して実質的に判断されます。例えば、定年退職者を嘱託社員として再雇用した場合などは、継続勤務として扱う必要があります。出勤率算定に当たっての留意点業務上の怪我や病気で休んでいる期間、法律上の育児休業や介護休業を取得した期間などは、 出勤したものとみなして取り扱う必要があります。 会社都合の休業期間などは、原則として、全労働日から除外する必要があります。

引用元:厚生労働省|リーフレットシリーズ労基法39条

労働基準法では、条件を満たしている労働者に対して、企業側は有給休暇の取得を拒否する権利がありません。つまり、退職代行サービスを通じて退職を申し出た場合でも、有給休暇を消化することが可能です。

ただし、ブラック企業(劣悪な労働環境で従業員に過度な長時間労働や低賃金を強いる企業)などが有給休暇の消化を拒むなどのトラブルを起こすこともあります。

このような状況において退職代行サービスを利用できれば、第三者の介入により企業側の抵抗を和らげつつ、有給消化についての交渉してもらうことができます。

有給消化の交渉ができる退職代行サービスとは

有給消化を始めとする「企業との交渉」が可能なのは、「労働組合」と「弁護士」が運営する退職代行サービスのみです。

一般法人が運営する退職代行サービスでは、あくまで「退職の意思」と「有給消化の希望」を企業に伝えることはできますが、企業側が拒否した場合の交渉はできません。

したがって、円滑な手続きが見込めない場合や確実に有給休暇を消化したい場合は、労働組合や弁護士が運営する退職代行サービスを選ぶようにしましょう。

退職代行サービスの運営元別の業務内容をまとめましたので、参考にしてください。

業務内容 退職代行サービスの運営者
民間企業 労働組合 弁護士
退職意思を伝える
退職条件を交渉する ×
有給取得を交渉する ×
給与支払いを交渉する ×
離職票等を請求する ×
裁判に対応する × ×

民間企業が労働組合と「提携」することで「交渉可能」としている退職代行サービスも増えていますが、非弁行為に該当する可能性があるとも言われています。ここについては現時点で見解が分かれているため、不安がある方は、「労働組合運営」か「弁護士運営」の退職代行サービスを利用するとより安心です。

\ 労働組合運営の退職代行サービスはこちら /

退職代行サービスで有休消化するまでの流れ

退職代行サービスを利用して有給休暇を消化しながら退職する流れは下記のとおりです。

【退職代行サービスで有休消化するまでの流れ】

  1. 有給休暇の残りの日数を確認する
  2. 退職代行サービスへ相談
  3. 依頼&入金後に会社に退職希望をつたえる
  4. 退職日まで有給残り分を消化する
  5. 退職後、有給休暇分の給与の支払いを確認する

各段階で注意すべき点について、以下で詳しく解説します。

1.有給休暇の残りの日数を確認する

退職代行サービスに問い合わせる前に、有給休暇の残日数を確認しておきましょう。

残日数の確認方法はいくつかありますが、ほとんどの会社では給与明細に記載されているか、社内の人事システムで確認できるため、この確認方法が最も簡単です。また、直接人事担当者に問い合わせても良いでしょう。

2.退職代行サービスへ相談

有給休暇の残日数を確認し、希望退職日が決まったら、次は退職代行サービスへの相談です。この段階では、一つのサービスに絞らず、複数の退職代行サービスに相談することをおすすめします。多くの代行業者がLINEでの無料相談を受け付けているため、気軽に質問できます。

相談時には、有給休暇の残日数、希望退職日、現在の職場状況など、具体的な情報を伝えましょう。

また、各業者のサービス内容、費用、対応範囲を忘れずに確認するようにしてください。対応の速さと丁寧さも評価し、信頼できるかどうか見極めましょう。

3.依頼&入金後に会社に退職希望をつたえる

利用する退職代行サービスが決まったら、あらためてサービス内容と費用を最終確認し、契約を締結します。サービス利用料金は前払いのものが多いですが、最近では後払いのサービスも増えています。

契約締結が完了したら、会社の連絡先や上司の情報などを退職代行サービスに提供します。その後、退職代行サービスの担当者が会社に連絡を取り、あなたの退職の意思を伝えます。必要に応じて、退職日や有給休暇の消化について交渉を行ってくれます。交渉の経過や結果について、担当者からの報告を待ちましょう。

このプロセスでは、退職代行サービスと密に連絡を取り合い、状況の変化に迅速に対応することが重要です。また、会社からの直接の連絡に備え、対応方法について退職代行サービスと事前に相談しておくことをおすすめします。

4.退職日まで有給残り分を消化する

退職代行サービスを通じて退職の意思を伝え、退職日が決定したら、残りの有給休暇を消化する段階に入ります。有給休暇の残日数が退職日までの期間をカバーできる場合、退職日まで出勤せずに過ごせます。一方で、残日数が足りない場合は、可能な範囲で有給休暇を消化し、残りの日は通常通り勤務するか、場合によっては欠勤が認められることもあります。

この期間を、次のキャリアに向けた準備や心身のリフレッシュの時間として有効活用しましょう。有給休暇は労働者の権利ですが、不要な対立や無駄なストレスを避けるためには会社側との調整も重要です。退職代行サービスのアドバイスを受けながら、適切に進めていくことが大切です。

こちらの記事もおすすめ:有給は無いけど即日退職したい!退職代行サービスで即日退職を実現する方法

5.退職後、有給休暇分の給与の支払いを確認する

退職後、最後の重要なステップは有給休暇分を含めた最後の給与支払いの確認です。退職月の給与明細をチェックし、有給休暇分の給与が正しく支払われているか確認します。

有給休暇分の給与が支払われていない場合は、退職代行サービスに相談のうえ、書面などで会社に請求を行いましょう。これによって、未払の証拠を残すことができます。また、会社が支払いを拒否する場合は、退職代行サービスに相談し、必要に応じて労働基準監督署へ相談するなど慎重に行動しましょう。

なお、有給休暇申請時の書面や給与明細など、関連する書類はすべて保管しておくことが重要です。有給休暇の消化は労働者の権利のため、適切に申請して受理された有給休暇の給与が支払われないのは不当な行為となります。自身の権利を守るため、最後まで注意深く確認することが重要です。

まとめ

退職代行サービスを利用して有給休暇を消化しながら退職するプロセスは、慎重に進める必要があることがおわかりいただけたと思います。有給休暇の残日数を正確に把握し、弁護士や労働組合が運営するものを中心に退職代行サービスを選択することが重要です。退職の意思を伝えた後は、有給休暇を効果的に消化し、最終的には給与の支払いを確認するのを忘れないように注意しましょう。

※こちらの記事もおすすめ

株式会社Amazia Link

LogsFix編集部

本記事はLogsFixを運営する株式会社Amazia Link編集部が企画・監修を行いました。