「上司が信用できない」そんな悩みを抱きながら仕事を続けるのは、誰にとっても辛いものです。相手によって態度を変える、部下を守る意識がない、そんな上司に不信感を抱くことは少なくありません。
この記事では、信用できない上司へ不信感を抱きながら働き続けることのリスクや、ストレスを溜めずに上手に付き合う方法、どうしても改善されない場合の対処法についてもご紹介します。
信用できない上司の特徴6選
職場において上司との関係は非常に重要ですが、会社は選ぶことができても上司は選べません。そのため、時として信頼関係を築くことが難しい上司に遭遇することがあります。
ただし、「信頼できる上司」の定義や感じ方は人によって異なります。上司は会社の発展のために成果を上げる役割を持つため、必ずしも常に優しく接したり話を聞いたりする立場とは限りません。まずは、この点を理解しておくことが大切です。
以上を踏まえたうえで、「信用できない上司」によく見られる5つの特徴を解説します。
1、相手や気分によって態度を変える
信用できない上司の典型的な特徴の一つに、相手や自身の気分によって変える態度があります。例えば、ある日の朝礼で部下Aの提案を一蹴したかと思えば、翌日には同じ提案を部下Bが行った際に絶賛するというような状況です。
このような上司は、自分のお気に入りの部下のミスには寛大である一方、他の部下には厳しい態度で接することがあります。また、上層部が来ると態度が急変し、普段の横柄な態度から一変して丁寧な言葉遣いになるといったこともあります。
上司と部下で言葉遣いや距離感が変わるのは自然なことですが、露骨な態度は不信感を抱きますよね。
陰口を言うことも、信頼できない上司の一つの特徴です。部下の評判を下げるような発言を他の従業員にすることは、チーム内に不和を生じさせ、「自分も言われているのではないか」という不安を引き起こします。
2、部下を守る意識がない
部下を守る意識が欠けている人も、信頼できない上司の特徴です。例えば重要なプロジェクトの締め切りが迫っている状況で、上司が部下の仕事の進捗状況を把握せずに、突然無理な要求をしてくるようなケースが挙げられます。
他責思考で責任転嫁しがちな上司も信用を失います。例えば、クライアントからのクレームに対して「それは○○さんの担当だから」と部下に押し付け、自分は一切関与しようとしない態度を取ることがあります。
責任者としての自覚に欠ける言動は、一度でもしてしまうと信用を失う原因となります。
言い訳が多いのも特徴の一つです。締め切りに間に合わなかった理由を「部下の能力が足りない」と説明したり、予算オーバーの原因を「部下の管理能力の欠如」に着地させたりするなど、自身の責任を認めようとしません。
自分に甘い態度も問題です。例えば、部下には厳しい納期を課す一方で、自身の担当部分の遅れには寛容であったり、部下の些細なミスを厳しく叱責する一方で、自身の大きな間違いは軽く流したりするような行動が見られます。
3、個人情報や守秘義務の認識が甘い
個人情報や守秘義務に対する認識が甘いというのも、信用できない上司の特徴の一つです。例えば部下のプライベートな情報を他人に簡単に漏らすケースがあります。このような行為は、プライバシーの侵害であり、部下との信頼関係を著しく損なう結果となります。
また、秘密保持が求められる話題を公言するケースも見られます。例えば、重要な新製品開発の会議で決定された機密情報を、うっかり社外の人間がいる場所で話してしまうようなことは論外です。このような行動は、個人間の問題にとどまらず会社全体に多大な損害を与える可能性があります。
4、仕事に対して誠実ではない
信用できない上司の特徴として、仕事に対する誠実さの欠如があります。例えば重要なプロジェクトの進捗状況について、必要な情報を部下と共有しないといったケースがあげられるでしょう。
ある日、部下が上司に進捗報告を求めても、「今は忙しいから後で」と言って取り合わず、結果として部下が適切な判断を下せずに仕事が遅れてしまうような状況が発生します。このような行動は、チームの生産性を低下させ、プロジェクトの成功を危うくします。
5、間違いやミスを認めない
明らかな誤りを指摘されても認めようとしない姿勢や、自身のミスが原因で問題が発生した際に責任を転嫁するような言動は、信頼できない上司の特徴です。
本来であれば間違いを認め、改善に向けて行動することが、真のリーダーシップには不可欠です。
6、揚げ足をとる
「揚げ足を取る」とは、相手の言い間違いや発言の一部を取り上げて責めたり、皮肉を言ったりする行為を指します。このような行動を繰り返す場合、部下は上司からの指摘を建設的なアドバイスと受け取ることができず、むしろ萎縮し、発言や行動を控えるようになってしまいます。
例えば部下が
会議は明日行う予定です
と伝えた際に
『行う予定』じゃなくて、『開催する予定』って言わないと。ちゃんとした言葉遣いをしないと恥ずかしいよ?
などと、発言を執拗に指摘するなど、小さな言い誤りを大げさに指摘するなどが挙げられます。部下から信用される上司であれば、相手を尊重し、「1つ1つの言葉にも気を配りましょう!」とポジティブに改善に向けたフィードバックを行います。
【対処法】信用できない上司と「ストレスを溜めない」付き合い方
信用できない上司との関係は、職場での大きなストレス要因となりがちなので、「どうにか状況を変えたい」とこの記事にたどり着いた方もいるかもしれません。しかし、「人は変わらない」という言葉を耳にするように、相手に改善を求めても難しい場合がほとんどです。
その場合、自分の考え方や行動を変えてみることをおすすめします。
ここでは、信用できない上司と上手に付き合うための具体的な行動や考え方を紹介します。
自身のキャリア・仕事の目的達成に集中する
上司への不信感が募っていたとしても、自身のキャリアまでその影響で台無しにしてしまうのは非常にもったいないことです。むしろ、このような状況下だからこそ、自身のキャリアやプロジェクトの達成に注力するのはいかがでしょうか。
例えば、現在携わっているプロジェクトの目標を明確にし、その達成に向けて全力を尽くすことで、自己成長の機会を見出すことができます。上司の言動に一喜一憂するのではなく、自分自身の成長や成果に焦点を当てることで、職場での満足度を高めることができるでしょう。
同僚や管理職に相談する
信用できない上司との問題に一人で対処しようとするのではなく、同僚や他の管理職に相談することも有効な方法です。ただし、相談する際は、上司の悪口や中傷を言うのではなく、具体的な状況や問題点を客観的に説明するよう心がけましょう。
例えば、上司から「このプロジェクトを進めておいて」と言われたものの、具体的な進め方や期限、優先事項についての詳細な指示がなく、チーム内で作業内容の解釈がバラバラになってしまいました。その結果、納期に遅れが生じたり、クライアントの要求に合わない成果物ができてしまったりして、修正対応に追われることになりました。
といった具体的な事例を挙げ、改善策を一緒に考えるアプローチが望ましいです。
感情的にならずに事実を述べることで、周囲も状況を把握しやすくなります!
また、人事部門や上位の管理職に相談する場合は、事前に十分な証拠や記録を準備しておくことが重要です。メールのやり取りや会議の議事録など、客観的な事実を示せるものを用意しておくと、より建設的な対話ができます。
コミュニケーションは最低限にする
信用できない上司とのコミュニケーションは、必要最小限に留めても良いでしょう。ただし、業務に支障をきたさないよう、報告・連絡・相談は抜かりなく行うことが重要です。
例えば、プロジェクトの進捗状況や重要な意思決定事項については、簡潔かつ明確に伝えるようにしましょう。後々の誤解や問題を防ぐことができます。
また、上司との対話が必要な場合は、可能な限り他の同僚や関係者の同席を求めることも一案です。これにより、会話の内容に関する証人を確保し、トラブル回避につながります。
反面教師として自身の成長に繋げる
信用できない上司を反面教師と捉えることは、良い教訓を得るチャンスになります。上司の望ましくない行動や特性を観察し、自分自身がそのような行動を取らないよう活かしましょう。
上司が部下の意見を聞かずに独断で決定を下す姿を見て、将来自分が管理職になった際には、チームメンバーの意見を尊重し、オープンなコミュニケーションを心がけようと学ぶことができます。
ビジネスにおいて反面教師から得られる教訓は、非常に深いものがあります。なぜなら、反面教師の行動がもたらす悪影響を直接体験することで、その重要性を身をもって理解できるからです。これは単に本や講義で学ぶよりも、はるかに印象深く、実践的な学びとなります。
また、反面教師を通じて学ぶことで、自身の価値観や理想のリーダー像をより明確にすることができます。これは将来のキャリア形成において非常に有益な洞察となるでしょう。
信用できない上司と働き続けるリスク
信用できない上司の下で働き続けると、日々のストレスや不安が蓄積し、長期的には仕事のパフォーマンスや個人の幸福度を低下させる恐れがあります。
以下では、信用できない上司と働き続けることで生じる主なリスクについて説明します。
仕事の効率が下がる
信用できない上司の下で働くと、無駄なタスクが増える傾向があります。例えば、上司の指示が曖昧であったり、頻繁に変更されたりすることで、同じ作業を何度もやり直す必要が生じます。これにより、本来必要のない作業に時間を費やすことになり、生産性が低下します。
また、意思決定に時間がかかることも効率低下の一因です。上司の判断を信頼できないため、部下は自分で決断を下すことを躊躇し、些細な事項でも上司の承認を求めるようになります。これにより、本来迅速に進めるべきプロセスが遅延し、プロジェクト全体の進行が滞ることがあります。
さらに、上司とのコミュニケーション不足により、スムーズに物事が進まないケースも多々あります。必要な情報が適切に共有されないことで、誤解や齟齬が生じ、結果として余計な手間と時間がかかってしまいます。
仕事へのモチベーションが下がる
モチベーションが低下する主な理由として、努力や成果が正当に評価されないことが挙げられます。例えば、一生懸命取り組んだプロジェクトの成功を上司が自分の手柄にしてしまったり、逆に失敗の責任を不当に押し付けられたりすることで、働く意欲が失われていきます。
また、上司の不公平な態度や気まぐれな判断により、自分の仕事の意義や目的を見失ってしまうこともあります。長期的なビジョンや明確な目標が示されないまま、場当たり的な指示に従わされることで、仕事への情熱や使命感が薄れていく可能性があります。
ストレスがかかる
ストレスの主な原因として、常に警戒心を抱いて仕事をしなければならない状況が挙げられます。上司の予測不可能な行動や不適切な指示に対して、常に防衛的な姿勢を取る必要があるため、精神的な疲労が蓄積されていきます。
また、上司との意見の相違や、不当な扱いを受けた際の不満を適切に表現できないことも、大きなストレス要因となります。自分の意見や感情を抑圧し続けることで、内面的なフラストレーションが溜まっていきます。
このような持続的なストレスは、個人にとって深刻な悪影響をもたらします。まず、頭痛や胃腸の不調、不眠といった身体的症状が現れる可能性があり、精神的な不安感に襲われたり、抑うつ状態に陥りやすくなります。さらに深刻な場合、精神疾患の引き金となり、うつ病や不安障害などの発症リスクが高まります。
どうしても事態が改善しない場合はどうする?
本記事で紹介したような対策を講じても状況が好転しない場合、あるいは早急に環境を変えたいと考えるならば、退職や転職も有効な選択肢の一つとなります。
転職を考える際は、現在の職場での経験や学びを客観的に評価し、次のステップに活かせるよう準備することが重要です。例えば、困難な状況下でも成果を上げた経験や、反面教師として学んだマネジメントスキルなどは、次の職場でも価値ある資産となるでしょう。
しかし、退職の意思を上司に伝えた際に、さまざまな問題が発生する可能性もあります。例えば、上司から強引に引き止められたり、退職の申し出をしたことでハラスメントが激化したりするケースがあります。このような状況に直面した場合、一人で対処するのは困難を極めるかもしれません。
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そのような際には、退職代行サービスの利用がおすすめです。退職代行サービスは、従業員に代わって会社や上司とのやり取りを行い、スムーズな退職をサポートします。特に、ハラスメントや不当な扱いを受けている場合、専門家のサポートを受けることで、自身の権利を守りつつ、安全に職場を去ることができます。
退職代行サービスを利用することで、直接上司と対峙する必要がなくなり、精神的なストレスを軽減できます。また、労働法に精通した専門家が介入することで、未払い残業代の請求や、退職金の適切な算出など、従業員の権利を守るための交渉も可能となります。
ただし、退職や転職の決断は慎重に行う必要があります。現在の環境を離れることで失うものと得られるものを冷静に比較検討し、長期的なキャリアプランを考慮した上で判断することが重要です。
まとめ
信用できない上司との関係は、職場環境と個人のキャリアに大きな影響を与えます。このような状況下では、自身の成長とキャリア目標に焦点を当てることが重要です。適切な対処法を実践し、必要に応じて同僚や管理職に相談することで、困難な環境でも前進することができます。しかし、状況が改善しない場合は、転職も視野に入れるべきです。自身の幸福とキャリアの発展を最優先に考え、勇気を持って行動することが大切です。
株式会社Amazia Link
LogsFix編集部
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