退職代行を利用する流れを解説!当日の朝でも依頼できるの?

更新日:

公開日:2024.10.10

退職代行サービスの認知度は急速に高まり、今では多くの人が知っているほど需要が増しています。

Googleトレンドのデータを見ても、2024年の新年度を迎えてから「退職代行サービス」の検索数が顕著に増加しています。一方で、詳細な流れまでは把握しておらず、「利用するのが不安…」と踏みとどまってしまうこともありますよね。

この記事では、退職代行サービスを利用する具体的な流れや、何日で退職が完了するのかについて、わかりやすく解説します。直近で退職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

退職代行を利用する流れ【5STEP】

退職代行サービスを利用する流れは、至ってシンプルです。

  1. 退職代行サービスに相談する
  2. 依頼する退職代行サービスに料金を支払う
  3. ヒアリングシートの記入
  4. 退職代行サービスから会社へ連絡
  5. 備品の返却・退職書類の受け取り

上記の5つのステップについて詳しく解説します。

1、退職代行サービスに相談する

退職代行サービスの利用を検討している場合は、まず無料相談を活用しましょう。多くの退職代行業者は24時間365日対応しており、土日祝日や不規則な勤務体制の方でも相談可能です。
※24時間「受付可能」と記載されているサービスは返信や対応が日中の営業時間内に限られる場合があります。

相談方法は主にLINE、メール、電話があります。LINEはトーク履歴が残るため、やり取りを見返しやすく相談漏れを防ぐことができるのでおすすめです。

相談する際は、有給休暇の取得や未払い残業代の請求など、自分の希望や懸念事項に対してどのように対応してくれるのか確認しましょう。

2、依頼する退職代行サービスに料金を支払う

退職代行サービスの利用を決定したら、次は料金を支払います。多くのサービスでは前払い制となっており、支払い方法は銀行振込とクレジットカード決済が主流です。

銀行振込を選択する場合は、振込の時間帯や曜日によっては、入金確認が翌営業日になることがありまるため注意しましょう。即日退職を希望する場合は、クレジットカード決済が可能な業者を選ぶことをおすすめします。クレジットカード決済であれば即時に支払いが完了し、すぐにサービスを開始できます。

なお、一部の退職代行サービスでは支払い方法が後払いできるものも増えています。これは主に、即時の支払いが困難な方や、サービスの結果に応じて料金を支払いたい方向けのオプションです。後払いを希望する場合は、相談時に業者に確認してみるとよいでしょう。

「退職代行モームリ」や「退職代行OITOMA」など、後払いを選択した場合に手数料を追加で徴収するサービスもあるのでよく確認しましょう!

3、ヒアリングシートの入力

ヒアリングシートとは、退職代行業者が依頼者の情報や退職に関する希望を把握するために用意する質問票です。

シートと言っても、LINEを利用して聞かれた質問に答える場合が多いです。

退職代行のヒアリングシート

ヒアリングシートには、氏名や生年月日、住所、電話番号などの個人情報のほか、会社名、雇用形態、勤続年数、所属部署名、退職理由、希望退職日、有給休暇の残日数、退職金や未払い残業の有無などを入力します。

退職代行サービスの担当者が実際に会社に連絡する際に必要なので、正確に入力しましょう。雇用形態や有給の残日数、退職金など曖昧な場合は事前に就業規則などを確認しておくとよいでしょう。また、会社に伝えておいてほしいことがあれば、この段階で退職代行業者に伝えておきましょう。

4、退職代行業者から会社へ連絡

ヒアリングシートの内容をもとに、退職代行業者が会社へ連絡を取ります。この時間、依頼者の方は自由に過ごしていて大丈夫ですが、退職代行業者から連絡が入るため、すぐに確認できる場所にいることをおすすめします。

交渉の内容によっては、1回の連絡で終わることもあれば、複数回のやり取りが必要になる場合もあります。

5、備品の返却・退職書類の受け取り

退職代行業者と会社との間で話し合いがまとまれば、具体的な退職日が決まり、退職に向けた取り決めが行われます。この段階で、会社への退職届の提出や貸与品・備品の返却を行います。なお、退職届の郵送はやむを得ない事情が無い限り業者ではなく依頼者本人が行います。

返却が必要な物品には、健康保険被保険者証、社員証、会社の鍵、パソコン、携帯電話、制服などがあります。これらは郵送で返却することができるので、直接会社に出向く必要はありません。

退職が完了すると、会社から以下などの書類が送られてきます。

  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証
  • 健康保険資格喪失証明書
  • 源泉徴収票
  • 年金手帳

これらの書類は転職時や失業保険の手続きに必要となるので、確実に受け取りましょう。万が一、書類が届かない場合は、退職代行業者に相談してください。

退職代行サービスが対応してくれること

退職代行サービスは、主に、以下の2つの重要な役割を担っています。

  • 会社へ退職の意思を伝える
  • 退職手続きや会社とのやりとりのサポート・交渉

これらのサービスにより、退職者は心理的ストレスや煩雑な手続きから解放され、新たな人生のスタートに向けて準備を整えることができます。

会社へ退職の意思を伝える

退職代行サービスの最も基本的かつ重要な役割は、依頼者に代わって会社に退職の意思を伝えることです。

多くの人にとって、上司や人事部門に直接退職を申し出ることは大きなストレスになります。職場環境が悪い場合や人間関係に問題があるときはもちろん、今までお世話になった感謝の気持ちや、自分が抜けることで同僚に迷惑をかけることを心配している人にとっても、有益なサービスでしょう。

退職代行サービスは、このような心理的障壁を取り除き、冷静かつ専門的な立場から会社側に退職の意思を伝えます。

退職手続きや会社とのやりとりのサポート・交渉

退職の意思を伝えた後も、退職代行サービスは依頼者をサポートし続けます。退職に関する書類作成のアドバイスや、最終出勤日の調整、退職金や未払い給与の確認など、退職に伴うさまざまな手続きを代行してくれます。

さらに、労働組合や弁護士が運営している退職代行サービスでは、会社側との交渉も行ってくれます。

注意すべき点として、交渉が決裂して合意に至らなかった場合、訴訟に発展する可能性があります。訴訟の対応は弁護士のみが行えるため、労働組合に依頼を考えている方は、その点を理解しておきましょう。

当日の朝でも退職代行サービスを利用した退職は可能です

退職を申し出たい「当日の朝」でも、退職代行サービスを利用して辞めることは可能です。なかには24時間対応しているサービスもあるため、自社の始業時間前の相談にも応じてもらえます。

ただし、当日の退職にはいくかの条件があるため、自分が該当するかを確認しておきましょう。雇用形態ごとに解説していきます。

「正社員」が即日辞められる条件

  • 退職日までの有給がのこっている
  • 有給は無いが、退職日まで欠勤が認められた
  • 会社から合意を得られた

正社員が退職を伝えた際、最低でも2週間は在籍する必要がありますが、出勤することを必ずしも求められているわけではありません。

退職の意向を伝えた翌日から有給休暇を取ったり、欠勤扱いにしたりすることで、実質的に即日退職が可能になります。さらに、もし会社から2週間待たずに退職してもよいと言われた場合も、それに従って退職しても法律に抵触することはありません。

「契約社員・派遣社員」が即日辞められる条件

  • 1年以上働いている
  • やむを得ない事情がある
  • 会社から同意を得られた

契約社員や派遣社員は、有期雇用契約に基づいて雇われているため、原則として契約期間が満了するまで退職することはできません。しかし、労働基準法第137条にて「契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。」と規定されています。したがって、1年以上勤務している場合は、即日退職も可能です。

また、やむを得ない理由として

  • 心身の不調や病気
  • 家族の介護
  • 不当な労働条件

などに該当する場合もすぐに退職することが可能です。

こちらの記事もおすすめ:契約社員は1カ月で辞められる? 派遣社員でも退職代行で辞められる?

「パート・アルバイト」が即日辞められる条件

パートやアルバイトの場合、雇用契約の期間が設定されているかどうかによって即日退職の条件が異なります。もし雇用期間が定められている場合は、契約社員と同様の条件になります。一方、雇用期間が決められていない場合は、正社員と同様の条件で即日退職が可能です。

こちらの記事もおすすめ:退職代行を利用した即日退職の方法

「退職の意思を伝えてほしい」だけでなく、「即日退職をしたい」など特別な要望がある場合は、交渉が必要となるため、労働組合や弁護士法人が運営する退職代行サービスを選びましょう!

退職代行サービスを利用前に確認しておくべきこと

退職代行サービスを利用する前に、いくつかの重要な事項を確認し、準備しておきましょう。以下より、確認すべき主な項目について解説します。

有給休暇の残日数を確認する

有給休暇の残日数は、退職の申し出から実際に退職できるまでの日数を左右するため、非常に重要です。退職代行サービスの申し込み時にも聞かれるため準備しておきましょう。

有給休暇の残日数は給与明細に記載されていることが多いため、そこで確認するのが簡単です。分からない場合は給与関係を対応している経理や管理部門に問い合わせてみましょう。

退職金について確認する

退職金がいくらもらえるのか、退職後の生活設計や経済的な安定に影響するため、把握しておくべき内容です。また、退職金の受け取り時期や方法についても確認しておくよいでしょう。

引き継ぎのための資料を作成しておく

引き継ぎ資料を用意する目的は、自分が退職後も会社の業務に支障が出ないようにするためですが、会社に誠意を示すことで退職に関してすんなり理解が得られるメリットや、退職後に会社から確認の問い合わせが来ないようにするためにも作成しておくことをお勧めします。

私物はできるだけ持ち帰っておく

退職代行サービスを利用する前に、できるだけ職場にある私物を持ち帰っておきましょう。そうすることで、退職後の手続きがスムーズになるだけでなく、私物が残っている場合に会社が取り扱いに迷って確認連絡が来ることを避けるためでもあります。

備品を返却する準備をしておく

事前に、会社のパソコン、携帯電話、制服、社員証などの返却が必要な備品・貸与品を確認しておきましょう。制服は規則がなくてもクリーニングに出してから返却するのが一般的なマナーです。

また備品ではないですが、保険証の返却も、このタイミングで行うことが多いです。念のため、退職代行の担当者に返却の時期を確認してもらうよう依頼しましょう。

まとめ

退職代行サービスを利用することで、退職に伴うストレスや煩わしさから解放され、新たな人生のステップへ前向きに進むことができます。今回ご紹介した流れを参考に、滞りなく退職できるように事前準備をしっかり行いましょう。

株式会社Amazia Link

LogsFix編集部

本記事はLogsFixを運営する株式会社Amazia Link編集部が企画・監修を行いました。